6月24日、バンダイナムコエンターテイメントより『SCARLET NEXUS』が発売されました。
7月1日からはアニメの放映も決定していることから、かなり力を入れて制作されたゲームだというのが感じられます。同社のゲームの『ゴッドイーター』シリーズのようなアニメテイストのキャラクターがハイスピードで戦闘を行うアクションRPGです。
20時間以上プレイしての感じたこのゲームの良さと不満を述べていきます。
ダークなSFが好きな人には特におすすめ
このゲームは対象年齢17歳以上です。それもあって所々残酷な表現があります。
残酷な展開はありますがグロテスクな映像は意識的になくしているようです。
そのためグロ耐性がない人でも大丈夫です。
遠すぎない近未来で和テイストの世界が舞台で人間のほとんどが”超脳力”をもっていることから、世界観は『とある魔術の禁書目録』『僕のヒーローアカデミア』に似ていると感じました。
またモンスター(怪異)のデザインは『サイレントヒル』や『マヴラヴ・オルタネイティブ』のような感じがしました。
”怪異”と”超脳力”
『SCARLET NEXUS』の世界には”怪異”と呼ばれる怪物がいます。
怪異の目的はわかりませんが、人間の脳を食べる怪物です。言葉を発することはなくコミュニケーションを図ることはできないようです。
人間はほとんどが”超脳力”と呼ばれる特別な力をもっています。
超脳力者の中でも優れた超脳力を持った人間は”怪伐軍(かいばつぐん)”という軍隊に所属し怪異と戦うことになります。
この作品はその怪伐軍で戦う人たちの物語です。
舞台は街中だけでなく、怪異によって滅ぼされた都市や施設が多くあります。
『SCARLET NEXUS』の魅力
戦闘が楽しい
『SCARLET NEXUS』の戦闘は
- 念力攻撃
- 通常(近接)攻撃
- SAS(仲間の超脳力)
を組み合わせて行います。
念力と通常攻撃は連続してつなげることが可能(上限はある)です。
SASで通常攻撃と念力攻撃の性質も変化します。状況に応じた最適なSASを使いながら戦います。
敵の攻撃頻度も高いため、回避⇨SASの切り替え⇨攻撃と忙しいですが、戦闘のテンポはよく快適に戦うことができるためとても楽しいです。
ゲーム序盤はできることも少ないですが、SASの種類が増えたり、アクションが増えたりとゲームが進むに連れて戦闘は楽しくなっていきます。
難易度は少し高め
難易度はNormalでもけっこう死にます。
ザコ敵はほとんどが複数体で出現し、攻撃頻度も高いため攻撃を連発しているだけだとサクッと死にます。
ボスは攻撃力が高く耐久力もあります。弱点もありますが、必ずそこを攻撃しなければいけないみたいなことはなく戦闘の幅がとれるので楽しいです。
また敵味方ともにデバフが非常に強力です。
回避ができなくなったり、完全に身動きが取れなくなったり、特定の属性のダメージが増加したりと種類もあります。
主人公が2人・視点も変化
ゲーム開始時に男性主人公”ユイト”、女性主人公”カサネ”のどちらかを選択します。
選択した人物を中心に物語が進行するため当然ストーリーも違います。キャラの性能も異なるため周回プレイでも違った感覚で楽しめるためマンネリが少ないです。
クセの強い登場人物たち
本作の登場人物は非常にクセの強い人物が多いです。
例えば、言葉が少なく表現がストレートで誤解されやすい女性主人公のカサネ。
表ではアイドルだが裏ではサボることばかり考えているアラシ。
自分の理想を追い求めるあまり周りに対してキツイ言動多いシデン。
これ以外にも曲者ぞろいのためキャラの衝突が多くあります。
そういった登場人物たちがぶつかり合い、すれ違いながらも成長していく様子が楽しいです。
噛めば噛むほど味が出るストーリー
ストーリーは序盤の展開が早く、世界観が頭にはいりきる前にガンガン進んでいくため正直置いてけぼり感がありました。しかし、この世界には主人公たちでさえ知らない真実がたくさんあり、それを一緒に知っていくのが楽しみの1つです。1つ1つ隠された真実を知っていくたびに苦悩して行動する主人公と仲間たち。その苦悩を乗り越えて徐々に成長していき仲間との信頼関係を築いていく様子に引き込まれました。
そのためストーリー後半ではあれだけクセの強かったキャラのことがみんな好きになります。
ストーリー外で仲間と絆を深めるエピソードもあり、そちらのやりとりも最高です。
システム周りが快適
移動のストレスがほとんどない
ゲーム中は移動速度の制限がかかることがほとんどないため快適に移動できます。
イベントで歩きが強制される状態とかめちゃくちゃ嫌なんですよね。
戦闘中と特定のイベント進行中以外はどこからでもファストトラベルが可能です。
ラスボス手前からですら拠点にファストトラベルでるほど親切設計になっています。そのため移動はとても快適です。
また街中やダンジョンを探索中、近くにアイテムが落ちていれば仲間がセリフで教えてくれるのも親切です。
サブクエ達成報告が楽
街中で受けられるサブクエですが、達成したらメニュー画面から報告をしてすぐに報酬を受取ることができます。そのため、クエストクリア後に再び街中を探索して発注者を探すという手間がなく便利に感じました。
セーブポイントが多い+オートセーブ
セーブポイントは頻繁に設置されており、オートセーブもあるため安心してゲームが進められます。
また任意のセーブポイントでは体力が完全回復します。ショップも必ず同設しているのでかなり親切な設計になっています。
残念な点
メニュー画面が使いづらい
- LB、RBで大カテゴリ切り替え
- LT、RTで小カテゴリ切り替え
- 十字キー左右でキャラ切り替え(装備変更)
といった具合にメニュー画面の操作にクセがあり使いづらく感じました。
項目の数も多いためもっとスッキリさせてくれると嬉しかったです。
サブクエについて
サブクエの達成条件が分かりづらい
受注したサブクエはアクティブ化すると右上に表示されます。
※アクティブ化はクエスト名を画面に表示するというだけのことです。アクティブ化していなくてもクリア条件は達成可能です。
しかし表示されるのはクエスト名のみで内容はメニューを開いて確認しなければいけません。
アイテム納品系は楽ですが、特定の敵を特定の条件で倒すクエストはめんどうです。
敵の名前もよくわからないものが多く、一回で覚えられる名前でもありません。
クエスト確認画面で名前と討伐条件の確認、ライブラリ画面で敵の生息地を確認といった手順が必要になります。
幸いにもクエスト対象の敵と遭遇すると味方が教えてくれます。が、条件は教えてくれません。
条件は「特定の技を使用してトドメを刺す」と言ったものが多く戦闘していれば自然に達成はできません。ただし、様々な技のチュートリアル要素にはなっていると思いました。
サブクエ自体が空気
本作のサブクエはクリア条件がめんどくさいわりに報酬の魅力がほとんどありません。
その上クリアすることで世界観やキャラの掘り下げなどもないためやる意味がほとんどありません。
アニメ連動のサブクエ
サブクエの中には後日から放送されるアニメの中にクリアのヒントが隠されているものがあります。
ゲーム単体で完結せずアニメの視聴が必要なクエストというのはどうかと思いました。
賛否両論な点
会話シーンの紙芝居
会話シーンは1枚絵と”スキット”と呼ばれるキャラの顔のアップで進行します。スキットのキャラはセリフに合わせて動きます。キャラクターが動きながら会話しているシーンを見るのが好きという人は好まないと思いました。
ただ、会話中にボタンを押すことでそのテキストをスキップできるというメリットがあります。
声を聞かなくてもセリフを全部読んだら次に進めたい、自分のペースで話を読みたい人には良い演出だと思います。
実際に見てみると紙芝居というよりは漫画のような感覚です。
またムービーシーンもあり、演出に関して特に不満は感じませんでした。
まとめ
小さな不満はあるものの、世界観とキャラクターが魅力的で戦闘が楽しくていいゲームです。
ストーリーは後半になるにつれ引き込まれていき、それにつれキャラのことが好きになれます。
ゲームが進むほどに戦闘はできることが増え、それに伴いプレイヤースキルの上昇が実感できます。
最初は苦戦した敵もゲームが進めば華麗なアクションでサクサク倒せる快感がクセになります。
ダークなSFの世界観が好きな人やテンポの良い戦闘アクションが好きな人におすすめの作品です。
- 戦闘がとにかく楽しい
- ダークな世界観と重いストーリー
- 魅力的なキャラクターが多く引き込まれる
- サブクエの存在感が薄い
- メニュー画面にクセがあり独特
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